この記事の要点
住宅宿泊事業の年間180日上限は、稼働を平準化するのではなく単価の高い時期に寄せて使います。上限を外したい場合は旅館業か特区民泊を検討します。
住宅宿泊事業法(民泊新法)で営業できるのは、年間180日までです。この上限は、収支の組み立て方そのものに影響します。
目次
毎日埋める前提は、そもそも成り立たない
365日のうち180日。稼働率に直すと約49%が上限です。「稼働率80%を目指す」という設計は、住宅宿泊事業では成立しません。
ここで考え方が2つに分かれます。
| 観点 | 平均的に埋める通年で少しずつ | 高い時期に寄せる繁忙期に集中推奨 |
|---|---|---|
| 1泊あたりの単価 | 平均的 | 推奨高い需要の多い時期に開ける |
| 清掃の回数 | 多い短期滞在が分散する | 推奨少ない連泊が入りやすい |
| 手間の集中 | 通年で薄く続く | 推奨時期が読める本業と調整しやすい |
| 閑散期の扱い | 開けたまま光熱費だけ出ていく | 推奨閉める固定費のみに抑える |
自治体の条例で、営業できる期間や区域がさらに制限される場合があります。
寄せるほうが、手元に残りやすい
同じ180日でも、平日を含めて平均的に埋めるより、単価の高い時期に寄せるほうが売上は大きくなります。週末、連休、地域の行事、繁忙期。この時期を優先的に開けます。
運営の手間も、日数ではなくチェックイン・アウトの回数で増えます。連泊が入りやすい時期に寄せると、同じ日数でも清掃の回数が減ります。
日数の数え方に注意する
- 数えるのは「人を宿泊させた日数」で、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までで計算します
- 1泊でも宿泊があれば1日として数えます
- 自治体によっては、条例で営業できる期間や区域がさらに制限されています
3つ目は特に重要です。物件を決める前に、その自治体の条例を確認します。「平日は営業不可」といった上乗せ規制がある地域があります。
上限を外したい場合
180日では計画が成り立たない場合、旅館業(簡易宿所)か特区民泊という選択肢があります。日数の上限はなくなりますが、設備や用途地域の条件が厳しくなり、初期費用も上がります。
どれが合うかは物件の条件で決まります。先に許認可の型を決めてから物件を探すほうが、遠回りになりません。
記載の数値は一般的な目安であり、物件・地域・時期によって変わります。実際の判断は、ご自身の条件でご確認ください。
