不動産投資と賃貸型民泊は、何が違うのか

この記事の要点

区分マンション投資は買って貸す、賃貸型民泊は借りて貸す形です。初期資金・収益の安定性・撤退のしやすさが異なり、引き返せるかどうかを重視するなら賃貸型民泊に分があります。

「不労所得が欲しい」と考えたとき、まず候補に挙がるのは不動産投資かと思います。そこに賃貸型民泊という選択肢を並べると、どちらも不動産ではあるものの、必要な資金も、収益の出方も、やめ方も違います。

どちらが優れているかではなく、性質が違うという前提で見ていただくのが早いと思います。

目次

借りて貸すか、買って貸すか

区分マンション投資は、物件を購入し、入居者に貸して家賃を受け取ります。賃貸型民泊は、物件を借りて、宿泊者に貸します。買わずに始められる代わりに、毎月の家賃が固定費として先に出ていきます。

同じ「不動産で稼ぐ」でも、性質が違います一棟・区分の賃貸経営と、賃貸型民泊の比較です。
観点区分マンション投資購入して貸す賃貸型民泊借りて貸す
初期に必要な資金数百万円〜頭金・諸費用数十万円〜敷金・礼金・家具
借入の要否前提になることが多いローン審査あり不要なことが多い
収益の出方毎月ほぼ一定家賃収入月ごとに変動稼働率と単価で動く
手間のかかり方少ない管理会社に任せられる運営設計が要る代行に任せる範囲を決める
うまくいかない時売却で回収を図る相場と時期に左右される解約して撤退できる原状回復の費用は要る
主なリスク空室・金利・下落稼働率・法令・近隣

一般的な傾向の比較です。物件や契約条件によって変わります。

毎月一定か、月ごとに動くか

区分投資の家賃収入は、入居中であればほぼ一定です。読みやすい代わりに、上振れもしません。

民泊は、稼働率と1泊あたりの単価で毎月変わります。繁忙期には賃貸の家賃を大きく超えることがあり、閑散期には下回ることもあります。平均で見れば足りていても、月ごとの振れ幅は賃貸より大きくなります

稼働率が下がると、手残りはどう動くかADR 24,000円/家賃170,000円のモデルケースで試算した、月の手残りです。
  • 稼働率 90%売上 648,000円 145,200
  • 稼働率 80%売上 576,000円 97,200
  • 稼働率 70%売上 504,000円 49,200
  • 稼働率 60%売上 432,000円 1,200

OTA手数料15%・運営代行15%・清掃費・水道光熱費・借入返済を差し引いた金額です。この条件では稼働率60%あたりが損益の分かれ目で、それを下回ると持ち出しになります。物件と契約条件により変わります。

この試算で見ていただきたいのは、金額そのものより、稼働率が10ポイント動くと手残りが5万円ほど動くという感覚です。損益の分かれ目がどこにあるかを先に把握しておくと、物件を選ぶときの基準が変わります。

やめるときの違いが、いちばん大きい

うまくいかなかったときの出口は、性質がはっきり分かれます。

購入した物件は、売却しなければ資金が戻りません。売却価格は相場と時期に左右され、ローン残高を下回れば持ち出しになります。一方、賃貸型民泊は賃貸借契約を解約すれば撤退できます。原状回復や什器の処分費用はかかりますが、数か月で区切りをつけられます。

初めての投資で、判断を間違えたときに引き返せるかどうかを重視されるのであれば、この違いは小さくありません。

向いている方、そうでない方

賃貸型民泊が向いているのは

  • まとまった自己資金より、まず小さく始めて確かめたい方
  • 借入をせずに始めたい方
  • 月ごとの変動を許容できる方
  • 運営を誰に任せるかを、自分で設計したい方

賃貸経営のほうが合うのは

  • 毎月一定の収入であることを最優先される方
  • 手間をかけずに保有したい方
  • 長期の資産形成として不動産を位置づけている方

どちらか一方に絞る必要もありません。民泊で運営の勘所をつかんでから購入に進まれる方もいらっしゃいます。

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