空き家を民泊で活用して月10万円の副収入を作る方法と注意点

空き家を民泊として活用することで、月10万円前後の副収入を得られる可能性があります。ただし「ただ貸し出すだけ」では実現できません。住宅宿泊事業法(民泊新法)をはじめとする許認可の取得、物件の適切な整備、予約・清掃の運営体制が三位一体で機能してはじめて、収益として成り立つ。

この記事では、空き家を民泊に転用するための具体的な手順と、実際にかかる費用・収支の目安を整理します。また、許認可や運営管理で見落とされがちなポイントについても取り上げられています。本業を続けながら副収入を作ることを前提に、「何をどの順で進めるか」という実践的な流れで解説。

こんな方にオススメ

  • ●相続した空き家や使っていない持ち家を収益化したいと考えている
  • ●民泊を始めたいが、許認可や手続きの複雑さで踏み出せずにいる
  • ●本業を続けながら、管理の手間を抑えて副収入を作りたい

この記事を読むと…

  • ●空き家を民泊にするために必要な手順と費用の全体像がわかる
  • ●月10万円の収益を目指せる条件と、現実的な収支シミュレーションの見方がわかる
  • ●許認可・転貸・運営管理における主な落とし穴と対処法がわかる
目次

空き家民泊の基本:どんな物件が対象になるか

民泊に活用できる空き家には、大きく「所有している物件」と「賃借している物件」の2種類があります。それぞれで取り得る手続きと制約が異なるため、まず自分の物件がどちらに当たるかを確認することが出発点です。

所有物件の場合:固定費が収益を左右する

相続や購入によって自分名義になっている空き家を民泊にするケースでは、転貸の承諾を得る必要はありません。ただし、固定資産税・管理費・修繕費といった保有コストが継続的に発生するため、収益がそれらを上回る設計になっているかどうかが重要な判断軸となる。

戸建て一棟を民泊として運営する場合、立地・広さ・設備水準によって宿泊単価は大きく変わります。都市部の交通アクセスが良い物件と、地方の観光地近くにある物件では、年間を通じた稼働率・単価ともに傾向が異なる点に注意が必要。「空き家があるから民泊にする」という発想ではなく、「この物件でどれだけの需要が見込めるか」を先に検証することが収益化の第一歩です。

賃借物件の場合:転貸承諾が最初の壁

賃貸物件を借りて民泊として第三者に提供する「転貸型(賃貸型)民泊」では、大家や管理会社から転貸の承諾を書面で取得することが法的に必要です。民法第612条では、承諾なしの転貸を契約違反とみなし、賃貸借契約の解除原因になるとされています。

転貸承諾を得ること自体は不可能ではありませんが、民泊用途であることを正直に伝えた上で交渉する必要があります。最初から「民泊を想定した物件」として募集されている案件を選ぶと、この手続きが省略または簡略化できます。転貸型で始める際の物件探しの詳細は、賃貸物件で民泊が禁止される理由と、大家・管理会社が講じるべき対策も参考になります。

「空き家」でも民泊ができない物件がある

空き家であれば何でも民泊にできるわけではありません。用途地域による制限(第一種低層住居専用地域など一部の地域では民泊が制限される場合があります)、建物の構造・耐火基準、マンションの管理規約など、複数の制約が重なることがあります。物件の調査は、許認可の申請前に必ず行う必要がある。

CAUTION

マンションや分譲住宅では、管理組合の規約で民泊が禁止されているケースがあります。規約の確認を怠ると、許可取得後に運営停止を求められる事態につながることも考えられます。

月10万円の収益を出すために必要な条件

月10万円の収益を出すために必要な条件 月10万円 立地 単価 稼働率 バランス

月10万円の収益を実現できるかどうかは、物件の立地・宿泊単価・稼働率の3変数で決まる。「どれかひとつが突出していれば他をカバーできる」という構造ではなく、三者のバランスが重要です。

稼働率と単価の現実的な目安

月10万円の粗収入(宿泊収入)を得るには、1泊あたりの単価と月間稼働日数の組み合わせによって複数のパターンが考えられます。たとえば1泊6,000円で月18泊の稼働であれば粗収入は約10万8,000円です。ただし、これはあくまでも宿泊料収入のみの数字であり、ここからプラットフォーム手数料(一般的に売上の3〜15%程度)、清掃費、光熱費・消耗品費などを差し引いた手残りが「実質的な収益」になります。

民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出住宅の場合、年間提供日数の上限は180日と定められています(国土交通省 住宅宿泊事業法関連情報)。1か月あたりに換算すると最大約15泊が上限の目安であり、これを超える稼働を想定する場合は旅館業法の許可取得が必要になります。

初期費用と回収期間の考え方

空き家を民泊用に整備するための初期費用は、物件の状態と必要な設備水準によって大きく異なる。最低限の清掃・家具・Wi-Fi環境の整備だけで済む場合もあれば、リフォームや設備投資が必要とされることもあります。初期費用は、何にいくらかかるのかの記事で項目別の目安を確認しておくことを勧めます。

初期費用を月次収益で割り戻すことで「回収期間」が計算できます。たとえば初期費用が50万円で月の手残りが5万円であれば、単純計算で10か月が回収期間です。この試算を事前に行わずに始めると、収益が出ているように見えても初期投資を回収できていない状況が続くことがあります。

収支を悪化させる見落としやすいコスト

民泊の収支計算で見落とされがちなコスト項目として、次のものが挙げられます。

  • 清掃費(1回あたりの費用 × 月間稼働回数)
  • プラットフォーム手数料(予約サービスが徴収する割合)
  • 消耗品費(アメニティ・トイレットペーパー・洗剤等)
  • 光熱費(宿泊客が使用する分を含む)
  • 損害保険料(宿泊施設向けの保険)
  • 確定申告・税務対応の費用(副業としての所得申告が必要)

副業としての確定申告に関しては、副業としての確定申告|何を、いつ、どう出すかで手続きの流れを確認できます。

空き家民泊を始めるための手順

空き家民泊を始めるための手順 1 物件適性確認 2 許認可取得 3 運営体制整備

許認可の取得から運営体制の整備まで、始めるまでに必要なステップを順番に示します。どのステップも省略や前後の入れ替えは原則できないため、全体の流れを把握した上で進めることが重要です。

  1. 1
    物件の適性確認

    用途地域の確認、マンションであれば管理規約の確認、建物の構造・消防法上の基準への適合可否を調べます。この段階でNGが判明した場合は物件を変えるか、方針を見直す必要があります。

  2. 2
    転貸承諾の取得(賃借物件の場合)

    賃借物件であれば、大家・管理会社から民泊目的での転貸を認める書面を取得します。口頭での了解は法的根拠にならないため、書面での確認が必須です。

  3. 3
    届出または許可の取得

    住宅宿泊事業法に基づく届出(民泊新法届出)か、旅館業法に基づく許可(簡易宿所等)を取得します。年間180日以内の運営であれば前者、それを超える場合は後者が必要です。届出先は都道府県または政令市の窓口になります。

  4. 4
    物件の整備・設備導入

    宿泊用として必要な家具・寝具・Wi-Fi・キッチン用品等を揃え、消防法の基準(消火器・火災報知器等)にも対応します。写真撮影もこの段階で行い、予約プラットフォームへの掲載準備を進めます。

  5. 5
    予約受付・運営体制の整備

    予約プラットフォームへの登録、チェックイン対応(スマートロック等の非対面方式を含む)、清掃手配の仕組みを整えます。本業と並行して運営する場合は、この体制設計が最大の課題になります。

本業を続けながら運営するための体制づくり

空き家民泊を副業として成立させるための最大の課題は、「運営にかかる時間と手間をどこまで外部化できるか」という点です。予約対応・清掃・ゲスト対応の三つが主な運営業務であり、それぞれを自分でこなすか、代行に任せるかで手残りと手間のバランスが変わります。

本業への影響を最小化する「運営の外部化」

民泊の運営で最も時間を取られるのは、清掃とゲスト対応です。特に清掃は宿泊のたびに発生し、しかも品質が評価・稼働率に直結します。

本業を持ちながら自力で対応しようとすると、平日夜や休日をすべて運営に充てる状況になりがちです。会社員が、運営に使う時間はどれくらいかで実態を確認しておくことをお勧めします。

清掃は専門の清掃業者に委託し、予約管理ツール(チャンネルマネージャー)で複数プラットフォームの予約を一元管理するのが、副業として継続しやすい形です。スマートロックを導入することでチェックイン対応も非対面化でき、オーナーが常時待機する必要がなくなります。

運営代行サービスとの付き合い方

物件探し・許認可・予約対応・清掃手配までをまとめて任せられる運営代行サービスを使えば、立ち上げ期の負担を大幅に軽減できます。ただし、代行費用は収益から差し引かれるため、代行を使った上でも月10万円の手残りが出る収支設計になっているかどうかを事前に確認することが重要です。

代行費用の水準や委託範囲はサービスによって異なるため、「何をどこまでやってもらえるか」「費用はどう発生するか」を比較してから選ぶことが必要です。料金は各サービスの公式サイトよりお問い合わせください。

やめるときのコストも想定しておく

副収入として始める以上、状況が変わったときに「撤退できるか」という視点も重要です。賃借型の場合は解約時の違約金・原状回復費用、設備の処分費なども発生します。やめるときにかかる費用と、手順であらかじめ確認しておくと、始めるかどうかの判断材料になります。

よくある失敗と、その対策

空き家民泊で収益化に失敗するケースには、一定のパターンがあります。始める前に把握しておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。

⚠️ 空き家民泊でよくある失敗パターン
  • 許認可の取得前に集客・予約受付を開始してしまった(無届け運営は行政指導・停止命令の対象)
  • 転貸承諾を口頭でのみ確認し、後から大家に否定された
  • 初期費用を過小に見積もり、回収期間が想定より大幅に長くなった
  • 稼働率を楽観的に見積もり、閑散期に収益がほぼゼロになった
  • 清掃の外注費を計上し忘れ、実質的な手残りが試算より少なかった
  • 本業が繁忙期に入り、ゲスト対応が滞って評価が下がり稼働率が落ちた

「無届け運営」は最大のリスク

住宅宿泊事業法の届出または旅館業法の許可なしに宿泊者を受け入れることは違法です。行政による立入検査・業務停止命令・罰則の対象になるだけでなく、予約プラットフォームでのアカウント停止にもつながります。「まず試してみてから申請する」という発想は、法的リスクの観点から成り立ちません。

届出・許可の手続きは、物件の準備が整う前の段階から着手するのが現実的なスケジュールです。申請から受理・通知まで一定の期間を要するため、「申請してすぐ始められる」と思っていると計画が遅れます。

稼働率の「楽観バイアス」に注意

民泊の収益試算で最も多い誤りが、稼働率を過大に見積もることです。需要のある繁忙期(連休・観光シーズン)の実績だけで月次収益を計算すると、閑散期との落差に気づかないまま計画が進んでしまいます。

現実的な試算では、年間を通じた稼働率の平均値を用いることが重要です。立地・物件タイプ・ターゲット客層によって傾向は異なりますが、初年度は設備・口コミの蓄積途上であるため、立ち上げ期の稼働率は低めに想定しておくことが安全です。

管理規約の見落としで運営停止になるケース

分譲マンションでは、管理組合の規約で民泊を禁止しているケースが少なくありません。2018年の住宅宿泊事業法施行以降、管理規約を改正して明示的に民泊を禁止した管理組合も存在します(国土交通省:マンション標準管理規約の改正について)。

届出を完了した後に規約違反を指摘されると、撤退を余儀なくされます。物件選定の段階で規約を確認することが不可欠です。

空き家民泊のメリットデメリット・注意点
  • ●遊休資産を収益に変えられる
  • ●長期空き家による劣化を防ぎやすい
  • ●本業を続けながら副収入を作れる(運営外注の場合)
  • ●民泊新法届出なら旅館業より手続きが簡易
  • ●年間180日上限(民泊新法)による収益の天井
  • ●初期整備・設備投資が必要
  • ●閑散期の稼働率低下で収支が不安定になりやすい
  • ●管理規約・用途地域による制限リスク

まとめ:空き家民泊で月10万円を現実的に目指すために

空き家を民泊として活用して月10万円の副収入を得ることは、条件が揃えば現実的な目標です。ただし「空き家があれば始められる」というほど単純ではなく、物件の適性確認・許認可の取得・運営体制の整備という三つのプロセスをすべて正しく進める必要があります。

収益の試算では稼働率を楽観的に見積もらないこと、清掃費・プラットフォーム手数料・光熱費などの変動費を忘れずに計上することが、計画と現実の乖離を防ぐ基本です。また、本業を継続しながら運営するには、外部委託による業務の自動化が現実的な選択肢になります。

こんな方に運営代行の活用が向いています
  • 相続した空き家をどう活用するか決めかねている
  • 許認可の手続きや転貸承諾の取り方が分からない
  • 本業と並行して、手間をかけずに民泊を始めたい
YADOKARIが対応している範囲について
YADOKARIでは、物件探し・許認可申請・予約対応・清掃手配までを一括で代行しています。収支シミュレーターや副業適性診断も無料で利用できます。
無料相談はこちら

よくある質問

民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出と旅館業法の許可は、どちらを選べばよいですか?

年間の運営日数が180日以内に収まる予定であれば、手続きが比較的簡易な住宅宿泊事業法の届出を選ぶのが一般的です。180日を超えて営業したい場合や、より商業的な運営を想定している場合は旅館業法の許可(簡易宿所等)が必要になります。どちらが適切かは物件の立地・用途地域・運営計画によっても変わるため、管轄窓口や専門家への事前相談を推奨します。

相続した空き家でも、民泊を始めるために許認可は必要ですか?

はい、必要です。自己所有の物件であっても、第三者を宿泊させる行為には住宅宿泊事業法の届出または旅館業法の許可が求められます。

「自分の家だから自由に使える」という考えは、宿泊ビジネスには当てはまりません。無届けでの運営は行政指導・停止命令・罰則の対象になります。

会社員が民泊で副収入を得た場合、確定申告は必要ですか?

原則として必要です。給与所得以外の所得(民泊収入)が年間20万円を超える場合、確定申告が義務となります。

民泊収入は一般的に「不動産所得」または「雑所得」として申告しますが、状況によって区分が異なる場合があるため、税理士への相談や税務署への確認を推奨します。初年度から記録を正確に残しておくことが重要です。

マンションの空き部屋を民泊にすることはできますか?

管理組合の規約によります。民泊を明示的に禁止している管理規約を持つマンションでは、届出を取得していても運営はできません。

まず管理規約と使用細則を確認し、禁止規定がないことを確かめてから手続きを進める順序が必要です。規約確認を怠ると、許可取得後に運営停止を求められるリスクがあります。

空き家の民泊を始めるための初期費用はどのくらいかかりますか?

物件の状態と必要な設備水準によって大きく異なるため、一概に「○万円」とは言えません。最低限の清掃・家具・Wi-Fi環境の整備で済むケースから、内装リフォームや消防設備の追加が必要なケースまで幅があります。

事前に物件の状態を確認した上で、項目別に費用を試算することが重要です。詳細は収支シミュレーターや個別相談を活用して確認することを推奨します。

出典

本文中の制度・法令の内容は、上記の一次情報で確かめたものです(2026年10月31日時点)。制度は改正されることがあるため、実際の手続きの前に最新の内容をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次